• ホーム
  • 民話館
  • サンバイの生まれはいずこ(田植え歌・大田市大代町大家)

サンバイの生まれはいずこ(田植え歌・大田市大代町大家)

語り(歌い)手・伝承者:山崎敬太さん・1961年(昭和36年)当時54歳

サゲ サンバイの ヤーレ 生まれはいずこ
  陸奥の国
早乙女 陸奥の国
   ヤーレ 日原だちの
   笹の本

(収録日 1961年(昭和36)8月28日)

解説

 広い田を大勢で田植えをするおり、作業をはかどらせるため、サゲと称する音頭取りの音頭で、歌をうたいかけると、植え手の早乙女たちが一斉に後の詞章を続ける輪唱形式の形で、田植えが進められる。その田植えの始めにうたわれるのがここに紹介したサンバイ降ろしの歌である。これは田の神であるサンバイの由来が細かくうたわれている。ここにあげたのが、それであるが、紙数の関係で以下、続きを詞章だけ挙げておく。

(サゲ)サンバイの 生まれはいずこ  陸奥の国
(早乙女)陸奥の国 日原だちの笹の本
(サゲ)サンバイの  おん父君はどなたやら
(早乙女)どなたやら  唐天竺の須佐の神
(サゲ)サンバイの おん母君はどなたやら
(早乙女)どなたやら  唐天竺の竹田姫
(サゲ)サンバイの   今胎内に腹ごもり
(早乙女)腹ごもり 十月が増すりゃ 生まれくる
(サゲ)サンバイの 取り上げ乳母は どなたやら
(早乙女)どなたやら 大和の奥の千代の母
(サゲ)サンバイの 産湯の盥何盥
(早乙女)何盥 白銀盥に金柄杓
(サゲ)サンバイの 産湯の清水どこ清水
(早乙女)どこ清水  岩戸のそらの岩清水
(サゲ)サンバイの 生まれの絹は美しや
(早乙女)美しや 美し絹は花で染め
(サゲ)サンバイの ちづけの乳母は どなたやら
(早乙女)どなたやら 御殿の裏の姫后
(サゲ)サンバイの 生まれの小袖何小袖
(早乙女)何小袖 白無垢小袖七重ね
(サゲ)サンバイの 今こそ神名は もらわれる
(早乙女)もらわれる ひるごの宮にと 移られる
(サゲ)サンバイに 駒が飛来する何駒か
(早乙女)何駒か ぜんぜん葦毛に黒の駒
(サゲ)サンバイの 今こそござる宮の上
(早乙女)宮の上 葦毛の駒に 手綱ゆりかけ
(サゲ)手綱ゆりかけ 速いが駒
(早乙女)ヘーイ  ヘーイ
ヘイヤーレ  ターマレ 速いが駒

 田の神サンバイをたたえ、豊作を願う農民の気持ちをこめた壮大なスケールの歌であろう。