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石の地蔵さんに(盆踊り歌・隠岐郡隠岐の島町=旧布施村布施)

語り(歌い)手・伝承者:益崎勝吉さん(1932年・昭和7年生)
灘部脩作さん(1948年・昭和23年生)

【前口上】
さあさ みなさま
ア ドッコイ ドッコイ
踊ろじゃないか
ア ヨイシェ
こげなことでは
夜も明けられぬ   
サー ヨーホイ ヨーホイ
ヨーイヤシェー
老いも若きも
みな出て踊れ
ちょいと若い衆や
頼みがござる
わしの頼みは
ほかではないが
ほりゃさ こらりゃで
囃しはしゃんと
声の悪いのは ハ
わしゃ生まれつき
ほどの悪いのは
師匠ないがため
お手がそろたら ァ
文句の真似を
お手がそろたら
文句にかかる

【本口上】
石の地蔵さんに ェ
カラスが止まる
カラス止まるから
カラスこそ仏
カラス仏なら
なぜ弓矢におそる
弓矢におそるから
弓矢こそ仏
弓矢が仏なら
なぜ岩に立たぬ
岩に立たぬから岩こそ仏
岩が仏なら
なぜ蔦に巻かる
蔦に巻かるから蔦こそ仏
蔦が仏なら
なぜ刃物に切らる
刃物に切らるから
刃物こそ仏
刃物が仏絵ら
なぜ水を切らぬ
水を切らぬから水こそ仏
水が仏なら
なぜ人に飲まる
人に飲まるから人こそ仏
人が仏なら
なぜ仏拝む
仏拝むから仏こそ仏

【後口上】
ここらあたりで交代頼む
後の先生は ほどよいお方
ここらあたりで声継ぎ頼む
ここらあたりで交代頼む

(昭和60年8月9日収録)

解説

 島根県の民謡調査の依頼を受けて、うかがった盆踊り歌である。
 言葉尻から連想してつないで展開して行く、まるで「仏口説き」とでも言えばよいような内容である。
 そしてこれが盆踊り歌ということになっている。確か子どもたちの遊びに「橋の下の石地蔵」で始まる、今回の盆踊り歌にそっくりなのが大阪のわらべ歌の中にあったと記憶するが、詳細についてはっきり覚えていないのが、いかにも残念である。今後とも注目して行きたいと考えている筆者なのである。