一山越えて(外遊び歌)
語り(歌い)手・伝承者:浜田市三隅町福浦 斎藤直子さん・昭和20年生
皆 一山(ひとやま)越えて 二山(ふたやま)越えて
三山の奥に 灯がちょんぼり見えた
狐さん 狐さん 遊ぼうじゃないか
鬼 今ねんねの最中
皆 お寝坊じゃないか
鬼 いま顔洗う最中
皆 おしゃれじゃないか
鬼 いまご飯を 食べる最中
皆 おかずはなぁに
鬼 ヘビとカエル
皆 生きてるか 死んでるか
鬼 生きている(死んでいる)
(平成12年2月収録)
解説
輪になっている中に一人「狐」、つまり鬼になった子どもがいる。それを取り巻いた子どもたちが、歌に合わせて手をかざしたり、いろいろな動作をしながら問答の形でこの歌をうたう。「生きてるか、死んでるか」の問いに対して、鬼が「生きている」と答えれば、子どもたちはワーッと逃げ出す。鬼はだれかを捕まえようと追っかけ、捕まえられた子どもが次の鬼になる。もし鬼が「死んでいる」と答えれば、「生きている」と答えるまで、何度でもこの歌はくり返される。このように鬼の答えが「死んでいる」であれば、歌は最初に返るが、「生きている」となれば、即座にそこから鬼ごっこに変わるというところがおもしろい。