この話をうかがったのは、昭和37年8月11日、場所は高田さんのお宅だった。語り手の高田ユメヨさんは話だけではなく、民謡も得意だった。 さて、この「猿蟹合戦」だが、助太刀するのは、普通、臼と蜂の他に栗あたりが常連のようだが、ここでは、臼と昆布と蜂と卵というように、かなり変わったものが登場している。全国に目を転じて眺めると、秋田県鹿角郡や長野県小県郡では昆布に代わって牛の糞が出てくるし、岩手県岩手郡では、鶏や縫い針が現れる。このように「猿蟹合戦」といっても、地方によって微妙な違いのあるのが面白い。