うかがったのは昭和47年5月のことであった。この話は全国的にもよく知られている。大晦日の夜は寝るものではなく、また、囲炉裏の火は消さずに新年に持ち越すことが、継続の意味から一家繁栄に通ずるとされていた。この話は以上のような風習を背景にして成立している。 またオナゴ(お手伝いさんのこと)が棺桶と思ったその桶は、実は正月の床に飾るべき年桶(としおけ)だったのである。正月の神がオナゴの心を試し、彼女が火を再生しようと努力した勇気を讃え、幸せを授けたという話である。