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この話は昭和62年8月23日に語り手の大原さんのお宅でうかがったものである。人間と植物の精霊との恋愛が主題となっているが、なかなか収録することの難しい話種である。関敬吾博士の『日本昔話大成』による分類では、2種類の話にその戸籍が認められる。一つは本格昔話の「1 婚姻譚」として次のようになっている。
109 木魂聟入(AT442)
| 1. |
母と娘、娘が毎日木に供物をする。 |
| 2. |
(a)殿様がその木を伐って船をつくるが、進水できない。または(b)大木を伐るが動かすことができない。 |
| 3. |
(a)殿様が船を進水させた者、または(b)木を動かした者には褒美をやるという。 |
| 4. |
その娘が進水させて褒美をもらい、母子が幸福な生活をする。 |
いま一つは本格昔話の中の「16 新話型」として次のものが相当する。
本格新40 大木の秘密
| A |
1. |
不作で庄屋が木を伐ることにする。 |
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2. |
小木ができたので伐採を延期してほしいと木が頼む。 |
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3. |
庄屋は約束する。 |
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4. |
翌年は豊作になる。伐採せずにすむ。 |
| B |
1. |
(a)堂をつくるために、(b)長者の病気の原因は水木という鳥の言葉を聞き、木を伐るが血が出るなどして倒れず、翌日は元通りになっている。 |
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2. |
木同士の会話を聞いて塩水をかけたりすると木が倒れる。 |
今回の昔話はどうしても戸籍は一つに確実にこれだと、絞りきれない。つまり、最初に紹介した「木魂聟入」の話では、後半部分の「(b)木を動かした者には褒美をやるという。4、その娘が進水させて褒美をもらい、…」のところがわずかに関連を示しており、また、「大木の秘密」の方でも、Bの方の後半部分「木を伐るが血が出るなどして倒れず、翌日は元通りになっている。2、木同士の会話を聞いて塩水をかけたりすると木が倒れる。」とあるところが関連しているのである。そして、この中で「木同士の会話を聞いて」云々に相当するのは、大原さんの話では、「(杣さんの嫁さんが)神さんに一生懸命に拝んでいたら、思いがかなったのだろうか、そのうちに神さんが枕神に立たれて…」となり、枕神のことばとなって話が展開して行くのである。 |