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水飴幽霊

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おはなし

語り手  益田市西平原  佐々木 マツコさん・昭和5年(1930)生

 あるところに水飴屋さんがあったって。
 ある晩にものすごい足音がしてくるんですって。
 そしてとんとんと戸をたたく音がするんですって。水飴屋がそれから戸を開けてみたら、何か柴の葉っぱみたいなもんをたくさん持った女の人が来ていて、
「水飴をねえ、ください」って言うんですって。
 それからお店の人がねえ、水飴渡したけれども、
-どうもおかしい-と思ってね、後をつけて行ったらお寺のそばの墓の方へ行って姿が消えてしまったのでねえ、そこへ行ってみたら、何だか赤ちゃんの泣き声がするんです。それで、店屋の人はもうびっくりしてねえ、後からお墓を掘ったら赤ちゃんが生きていたんだそうです。それでその赤ちゃんをだいじに育てたそうです。
 これは女の人が死んで、墓に埋められてから赤ちゃんが生まれたので、その女の人はわが子かわいさの一念から、水飴屋へ赤ちゃんの食べる水飴を買いに来ていたものなんですねえ。そんな話をわたしは小さいときに父からよく聞かされましたんですよ。


解説

 うかがったのは平成5年(1993)7月21日であった。この話は特定の村の寺院の墓地と結びついて伝説化して各地に伝えられている場合も多い。同じ益田市高津の教西寺では、そこの墓場で生まれた男の子が、成長して大厳和上という偉い僧侶になったと伝説として存在している。出雲地方に例を求めると松江市中原町の大雄寺の話ということになり、これは明治の昔、ラフカディオ・ハ-ンつまり小泉八雲も採集しているのである。


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